不動産の無償譲渡(贈与)について

住宅に人が住まないで空き家になっていて、経費だけが発生し経済的負担と保安上危険負担が所有者に発生している状態を解消する選択肢の一つです。 


住宅を所有している場合の(4つの状況)


@所有者本人が自宅として住む状態
(通常の使用状況で、固定資産税と修繕費が発生)
※自分の家なので安心して住めるメリットがある。売却しない限り個人の資産。子どもに相続できる)

A所有者が住まないで他人に賃貸住宅として貸している状態
(家賃収入がある、固定資産税と家主負担設備の修理負担が発生、マンションの場合は毎月管理費の負担が発生)
※家賃収入があるので、給与以外の収入があるので経済的に豊かになれるメリットがある。

B所有者が住まないが、他人に賃貸住宅として貸していない状態=空き家状態
(固定資産税と修繕費の経済的に負担が発生、保安上危険負担が発生)
ケース1 建物が強風・台風・大雨などで破損して、隣の住宅を破損させた場合、所有者の管理責任があるので他人の住宅の修繕費が発生する。
ケース2 他人に怪我を負わせた場合は、治療費を住宅の所有者が負担しなければならない。

C住宅の所有者がいない状態=誰も責任を負わない!大変危険な状態で、この状態の住宅が増えている!この状態の実際の解決方法が難しい!
(所有者が死亡して、誰も相続者がいない場合もしくは誰も相続しないで実際の所有者がいない場合)
トランプのババ抜き状態で、ジョーカーのカードを最後に持っている人が負けになり、全て負担する。
つまり、最後の所有権者がすべての責任を負うという状態。
ケース1 誰も相続しない状態
ケース2 市町村に物納したいが、市町村は物納を受付けない状態(住宅の取り壊し費用を負担できない)
ケース3 相続人も市町村も所有権を譲り受けないで、所有者がいない無法状態。
        
提案@所有者自身が活用して利益が得られる場合は、所有者自身の活用をお勧めします。 
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提案A所有者自身が活用できない場合は、不動産屋に売却を依頼して売却金を得ることをお勧めします。
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提案B不動産屋に依頼しても売れない場合は、無償譲渡することお勧めします。
   
住宅を所有する場合が経済的に負担にならないケース     
@自宅として住む場合  A立地が良く駐車場にも賃貸住宅にもできる場合  B高額で売却できる場  C 固定資産税と修繕費以上のメリットがある場合 
     
 住宅を所有すると経済的に負担になるケース     
@住んでいない住宅で、固定資産税及び都市計画税並びに修繕費のみが発生する場合  A立地が悪く、道路が狭く、駐車場にも賃貸住宅にもならない場合    B事故物件で賃貸住宅も売却もできない場合 C住宅の老朽化が進行して利用できないが、取壊し費用を負担できない場合 
 D「特定空家等」に指定されそうな物件

「空き家対策特別措置法」とは

1,そのまま放置すれば倒壊等著しく保安上危険となるおそれのある状態
2,そのまま放置すれば衛生上有害となるおそれのある状態
3,適切な管理が行われていないことにより著しく景観を損なっている状態
4,その他周辺の生活環境の保全を図るために放置することが不適切である状態

※所有している空き家が特定空家に指定されると、建物やその付属物の適切な管理が求められるため、修繕費用が発生する。強制的に解体され、その解体費用を持ち主が負担しなければならないこともある。また、固定資産税の優遇措置が撤廃され最悪の場合最大で6倍の固定資産税が課せられる。特定空家に指定される可能性がある物件は、修繕費用や固定資産税の増加を回避するために無償譲渡する場合があります。
E取壊し費用を出すことができても、取壊しすると固定資産税や都市計画税が値上がりしたりして、取壊し費用すら回収できないばかりで利益が得られない場合    
   
  住宅を無償譲渡するケース   
@個人が個人に無償譲渡する場合 A個人が法人に無償譲渡する場合 B法人が個人に無償譲渡する場合 C法人が法人に無償譲渡する場合
       
 無償譲渡の注意点   
@不動産屋が仲介業者としていないので、不動産取引知識の無い譲渡者と取得者の直接取引なのでトラブルが発生する。   A無償譲渡をする個人にも税金がかかる場合があるので、事前に調査が必要。 B無償譲渡を受ける個人には、所有権移転登記の手続き費用は負担が必要、不動産取得税が必要となる場合がある。固定資産税と都市計画税を支払う。つまり、所有権を得ることで出金は当然発生することを了承しておかなければならない。
所有権という権利を得ることは、税金等の費用を負担することであることを理解しなければならない。
権利は義務を負うのである。
無償譲渡者はその義務を無償譲渡を受ける者に渡すことである。 
 
       
無償譲渡を受けて出金及び損をする場合
@交通の便が悪くて実際に住んでみると不便で生活ができない場合。 A住宅を改修しても自宅・店舗・民泊などに活用できない場合は費用だけ出金して損をする場合。 B住宅の所有権の移動の登記手続きを司法書士に依頼する費用が約15万円ぐらい必要。不動産取得税が不要であるが、必要な場合もある。
固定資産税と都市計画税並びに修繕費が必要。
C修繕費が高額になる場合は、無償譲渡のメリットがない。
それなら、最初から少し高額ではあるが修繕費が要らない物件を買った方が出金が少ない場合。